2020/02/08

SAPの正しい読み方は「エスエイピー」?それとも「サップ」?法人登記と商標情報から調査

SAP、知っている人は知っている。
ERPの老舗である。

SAPとは


「SAP」はERPの老舗として知られる企業で、その正しい読み方が「エスエイピー」か「サップ」かについて、明確な根拠がないため調査を行った。その結果、SAPの日本法人の情報から「エスエイピー」が正しい読み方であることがわかった。次に、SAPが提供するソリューションである「SAP S/4HANA」についても、「エスエイピー」が正しいと考えられる。商標についても調べてみたところ、「エスエイピー」が登録されていた。

よく「さっぷ」と言っている人もいてついつい「サップ」と言ってしまいそうになるが、不用意に「さっぷ」と呼ぶと違うという人も生息しているらしい。

明確な根拠がわからなかったので、確実に正しいといえる読み方はどちらなのか、ちょっと調べてみた。
※かなり明確な根拠を示せたと思うので、間違っている方の読み方をしている人に出会った時には是非ドヤ顔をしてほしい。

法人登記情報の調査

まずはSAPの日本法人の情報から検索してみる。

法務省の登記情報を閲覧できる登記ねっと(https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/index.html)は有料なので国税庁の法人番号検索サイトを利用してみる。

https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

ここから「SAPジャパン」で検索すると、2020年2月現在、次の2件がヒットする。
法人番号商号又は名称所在地
4010001071259エスエイピージャパン SAPジャパン株式会社東京都千代田区麹町1丁目6番4号
8010001169883サップジャパン SAPジャパン株式会社東京都千代田区外神田3丁目16番13号

法人番号「4010001071259」の方=エスエイピージャパンの住所を見ると、SAPジャパンの公式サイトでアナウンスされている本社住所「〒102-8022 東京都千代田区麹町1-6-4 SAPジャパンビル」と一致しており、この法人で間違え無さそうだ。

法人番号「8010001169883」の方=サップジャパンは、検索したがよくわからない。検索で引っかかるわけだから、登記されている会社ではあると思うが、どのような会社か、現状不明である。

このことから少なくとも法人名としてのSAP読み方は「サップ」ではなく、「エスエイピー」が正しいということになろう。

商標情報の調査

次にSAPが提供するソリューションとしてのSAPである「SAP S/4HANA」(「SAP のインメモリーデータベース SAP HANA を基盤とする統合型インテリジェント ERP システムです。」との事)についてはサップなのか、エスエイピーなのか、調べてみたい。

今度は商標なので独立行政法人工業所有権情報・研修館の、特許情報プラットフォームを使う。

商標を選択して、検索すると
こちらがヒット。次のように登録されている。

(111)国際登録番号:1333554
(220)国際登録日又は事後指定日:平成28(2016)年 10月 19日
先願権発生日:平成28(2016)年 8月 31日
(580)指定通知日:平成29(2017)年 3月 9日
(821)基礎出願国・地域又は機関:EM(域内市場における調和のため官庁(商標及び意匠))
出願番号:015791081
出願日:平成28(2016)年 8月 31日
(151)登録日(国内):平成29(2017)年 7月 28日
(441)公開日:平成29(2017)年 5月 16日
(180)存続期間満了日:令和8(2026)年 10月 19日
商標(検索用):SAP BW/4HANA
(561)称呼(参考情報):エスエイピービーダブリュフォーハナ,エスエイピイ,サップ,ビーダブリュフォーハナ,ビイダブリュウフォーハナ,ビイダブリュウヨンハナ,エスエイピイビイダブリュウフォーハナ,エスエイピイビイダブリュウヨンハナ,サップビイダブリュウフォーハナ,サップビイダブリュウヨンハナ,エスエイピービーダブリュ,エスエイピイビイダブリュウ,サップビイダブリュウ,エスエイピー
(732)名義人
氏名又は名称:SAP SE
住所又は居所:(省略)

「エスエイピー」が先頭に来ているがどうやら「サップ」という読み方も登録はされているようだ。
ただしこれだけだと「いずれも正しい」とは言えない。サップも商標としては登録されているということは分かったので、混同するような使い方はできないということが分かっただけである。

困った、今一根拠に乏しい。

製品名としての正式情報


と思っていたら次の記事を見つけた。

この中に、

株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ(所在地:東京都墨田区、代表取締役社長:磯谷 元伸、以下 NTTデータGSL)は、SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福田 譲、以下 SAPジャパン)が提供する「SAP S/4HANA®(エスエイピー・エスフォーハナ)」とSAPのBIソリューションをベースにした、中堅小売り・商社・外食産業に特化したソリューションをクラウドで提供するサービス「GBMT(Global Business Model for Trading Company) Cloud with SAP S/4HANA®」の提供を開始しました。

との記載がある。NTTデータ系のお堅い企業に関する、SAPジャパンのサイト内の記事で、明確にソリューション名について「SAP S/4HANA®(エスエイピー・エスフォーハナ)」と言われている。
これは根拠として十分だろう。

結論


ということで結論。
「SAP」は法人名としても「エスエイピー」と読むし、ソリューションの名前としても「エスエイピー」と読むのが正しい。
ただし「サップ」も商標の読み方としてあげられる程度には中の人にも、社会的にも認知されており、通じないということは無いと思われる。

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夢、理想、やりたい事、自分探し。将来どんな仕事がしたい?将来何になりたい?という幼少期の問いから始まり、進路相談でも将来の夢を語らされ、就職活動でもなぜこの会社・業界・業種なのか、なぜやりたいのかを問われる。さらに就職した後の目標設定・評価等でも、何がやりたいの?などと問われる。...