ある日上司から、「管理職に必要な才能ってなんだかわかるか?」と聞かれたことがある。僕は答えに詰まり、首を傾げた。すると上司は、「自分を棚に上げる能力だよ」と言った。
私が意味が分からずぽかんとしていると上司はこう続けた。
「人間完璧なやつなんて居ないだろ。自分だって遅刻もすればミスもする。そんな時でも部下が寝坊で遅刻したらなんで?って聞かなきゃいけないんだよな。自分を棚に上げられないとやってらんないぜ。」
はじめはその言葉に疑問を感じたが、じっくり考えてみると、上司の言葉には大いに理があることに気づいた。人間誰しも完璧ではなく、遅刻やミスなど、欠点があることは当然だ。それでも管理職として、部下が寝坊で遅刻した時やミスを犯した際に、指導を行わなければならない。
自分を棚に上げる力とは、自分の欠点を認識しながらも、部下に対して適切な指導ができる力だと言える。その力は、リーダーとしての自信や、周囲に対するバランス感覚にも繋がる。もちろん、この力を過剰に発揮すると、部下から信用を失う恐れがある。しかし、適度に自分を棚に上げる力があることで、完璧でない自分でも部下の指導ができるようになる。
また、自分を棚に上げる力は、リーダーが自己評価と他者評価のバランスを保つためにも重要だ。他者からの評価が高い状態でも、自己評価を適切に保ち、自分の成長に努める姿勢が大切である。そのためには、自分の過去の経験や今後の挑戦に対する意欲を大切にしながら、部下や周囲と協力して業務に取り組むことが求められる。
このエピソードから学んだことは、管理職に求められる才能は、自分の欠点を認識し、それを乗り越えて部下を指導する力であるということ。そして、部下の信頼を失わない範囲で、適切に自分を棚に上げる力を発揮できることが重要だ。
読者の皆さんも、管理職になる際にはこの力を忘れず、適度に自分を棚に上げることで、バランスの取れたリーダーシップを発揮していくことが大切だと心に留めておきましょう。
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