2021/02/21

Silent Love あの夏いちばん静かな海を聞いて考えた音楽の未来

正直言うと北野武は嫌いだが、久石譲のこの曲は良い。

しかし良い時代になったもんだな、youtubeで大体の音楽は聴ける。

なお映画は見たことない。

しかし話は大いに飛ぶが、こうやって古い曲が永続的に残って行っちゃうと、いよいよ新しい世代の作曲家の生きる余地がどんどん狭くなっていかないだろうか。

前から思っていることではあるが、大昔、音楽を保存する手段がなかったころ、そんな時代にはどんな曲であれ、口ずさめばほとんど新しい曲として聞こえたはずであろう。

その後、紙が発明され楽譜によって記録されるようになり、高い評価を得た曲は長く保存されるようになった。

少なくともたまたま同じメロディを思いついた時代が後ろの作曲家の立つ瀬はこれでなくなった。

それでもまだ保存されるのは楽譜で、それもごく一部の現在ではクラシック音楽と分類される様な大家の曲だけだった。

それが録音技術により、多くの作品が残り、さらにデジタル化により劣化せず永続するようになり、時代が下るとともに新しい時代の作曲家はより一層膨大な過去の作品群とは異なる曲を作る必要に迫られていくことになる。

音楽というのは、端的に言えば、音符の長さ=リズム、音程=12音階によるメロディ、と音色の組み合わせでしかない。

もちろん膨大な組み合わせがありうるわけだが、その膨大な組み合わせの中で人が心地よいと感じる組み合わせには、和音や拍子といった一定の制約があるわけで、このままどんどん過去の作品が劣化せずに、ヒットしたかとか、大衆に評価されたかとか言ったフィルタもかけられずに、永続的に残せる技術が発展していけば、いずれほとんどすべての心地よいリズムと音程の組み合わせが網羅される。

現にクラシック時代より現代寄りの作品で完全に新規のコード進行を見つけ出すのは困難であろう。そしてこのまま多くの音楽が劣化せずに蓄積される状況が続き、発展していけば、いつかメロディとリズムにも同じ状況が訪れるのではないか。

愛すべき素晴らしい音楽を、劣化させずに永続的に保存する技術が発展する事により、音楽を愛する作曲家という職業がいつか成立しなくなる、というのは何とも皮肉なことに思えた。

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